ハンドメイド作家の「オーダーメイド」には、大きく分けて2種類、カスタムオーダーとフルオーダーがありますよね。
「カスタムオーダー」は、ベースの作品を元にサイズ変更なり、好みのアレンジをしてあげること。
「フルオーダー」は、お客の要望を聞いてイチから製作してあげること。
一般的には、こう区別されているように見受けられます。
それで今日の話は「フルオーダー」についてなんですけどね。
フルオーダーを承っているハンドメイド作家に限らず、ロゴやWebサイトのデザイナーさん。要望をヒアリングしている際「私、シンプルで良いんです」って言うお客はいませんか。
「もう、ぜんぜん普通でいいんです、カラフルな感じは苦手だし、レースとかの装飾も何もいらないし、ほんと、普通のシンプルでいいんです。」みたいな感じでオーダーする人。
こういうオーダーするヤツ、どうですか。
私って面倒な客じゃないですよ、と控えめに注文しているようで、蓋を開ければ厄介であったことないですか?
リクエストを真正直に受け取って、超シンプルなものを作って見せると、「なにかが違う」とか言いだして、「もう少しアレンジしてくれ」だの「シンプルな中にも味わいが欲しい」だの。
オイコラお前めちゃめちゃこだわりあるやんけ!最初から言えよおぉぉ!みたいなこと、ないですか?
・ ・ ・
まさに私がこういうオーダーをする客です。ご迷惑をおかけしてすみません。
私は今、自分で母子手帳ケースを作っているのですね。
作り始めたきっかけは、簡単に言うと「機能重視の母子手帳ケースがみつからない、シンプルで良いんだ、普通で良いんだ、余計な装飾はいらない、世の中にはなんで普通のものがないんだ?ないなら自分で作るしかない。」でした。
で、試行錯誤の末、先日シンプルな試作品が完成したんです(↓)
製作のきっかけであった言葉どおり、機能重視のシンプルな母子手帳ケースが完成したんですが、何かが違うんです。
何かがちがう…
何かが…
・ ・ ・
おいコラ自分、シンプルで良いとか全然嘘やんけ。単なるシンプルは気に入らんのやんけ。
!!!
それで、気が付きました。
他人にオーダーして作って頂く際は、シンプル「で」良いんじゃなくて、シンプル「が」良い、でも弱くて、
味わいがあり、普通より少し特別感のあるシンプルにしていただきたい
というような細かい注文をつけなくてはいけない、自分は面倒な客である自覚を持っていなければならないことを、この製作を通じて理解することができました。
そんなわけで、先日の試作品第四弾は、普通すぎるシンプルだし、もう少し味わいが欲しい、ラフ感がほしいと思い生地を洗いましたです。ワンウォッシュ加工ね。
洗いざらしのシャツ的な品を目標に、これで再製作してみます。
<続編>
洗いざらしのシャツ的な加工をめざしてロウ引き加工にチャレンジしたものの、結果は惨敗。 → 100均のロウソクで布の蝋引き加工にチャレンジしたけど失敗したよ